›April 11, 2004

2004.4.11 (日)

Posted by とーる at 11:00 PM / カテゴリー: 2004年 / /

いよいよ明日は手術だ。8時間もかかる大手術らしい。
おととい見舞いに行ったら、病名や手術の段取りを詳しく教えてくれた。
病名は「残胃癌(ざんいがん)」というそうだ。一度胃ガンを手術し再発するケースらしい。(*1)
豆粒大の胃ガンに胃を2/3も切り取ったのに再発してしまうのかと思う。
今回はもう食道から直接十二指腸につなげてしまうらしい。脾臓(ひぞう)も摘出するそうだ。胃と隣り合っている臓器だから転移の可能性があるから。
親父の話では、どうも未だに「脾臓」という臓器の役割は良く分かっていないらしい。無くてもどうもあまり影響はないということのようだ。

そして手術は、開腹後に転移が見られた場合(ひどい場合?)、そのまま閉じるそうだ。
あちらこちらに転移してた場合は手術しようがない、お手上げということだ。

覚悟を決めているとしても、親父もさぞ恐怖心と戦っていることだと思う。
今朝、中東のテレビ局「アルジャジーラ」によれば、人質として拉致されている日本人3人は24時間以内に解放されるとのこと。本当ならばもちろんめでたい。
明日は親父も解放されると良いな。どちらにしろ、手術後はしばらく寝たきりを強いられることだろう。

(*1)2004.7.7 追記:再発ではないそうです。新生第2胃ガンだそうです。

›April 12, 2004

2004.4.12 (月)

Posted by とーる at 11:00 PM / カテゴリー: 2004年 / /

手術。
朝9時に始まった。
特殊な麻酔なのか、口から太いケーブルを入れての麻酔らしい。苦しかったろう。とにかく痛いのとか苦痛は辞めてくれという親父の意向なのかも知れない。
10:45
早くも執刀医が出てきた。
開腹したものの、転移がかなりあるのだろう、そのまま縫合しましたとのこと。
当初「術後5年間生存する確率は50%」と言われていたのは訂正されて、「生きていられるのはあと4ヶ月ほどでしょう。」とのこと。
ショックだ。そこまで進行してしまっていたのか。
手術後あちこちからチューブを差し込まれている姿が痛々しかった。
夕方からはほとんど外されて、点滴だけになった。親父が「人間らしくなったか?」と聞いてきた。
ずっと以前から親父は「チューブまみれなのはご免だ。痛く辛いだけなのに、ただ生かしておくためだけの延命措置もまっぴらご免だ。」と繰り返し言っていた。みじめな気持ちになるのだと思う。
親父はもう「余命最短4ヶ月」と聞いたのだろうか。
担当医も言いづらいと思う。オレが医者ならそんなこと本人に言いたくない。
ゴルフの4大メジャー「Masters」が今朝終わってしまった。こんなことだったら、ゴルフが大好きだったしテレビで見たかっただろうなぁ。
お袋に聞いたが、生きている間にスペインのバルセロナに行きたいのだそうだ。
ホントなら喜んでガイドでもボディーガードでもしてやる。70代の老夫婦二人で行かせられないさ。
今までありがとう。良い息子じゃなくて申し訳ない。
早く退院して行こう。


6/6 (日) 追記。
お袋によれば、医者は「おそらくあと4ヶ月程度。短ければ2ヶ月ほど。」と言っていたのだそうだ。
これは知らなかった。そして改めてショックだ。

›April 13, 2004

2004.4.13 (火)

Posted by とーる at 11:00 PM / カテゴリー: 2004年 / /

今日は麻酔が切れて痛みが激しいのか、ちょいと不機嫌な様子。
不機嫌ではなく、つらいのだ。
熱があるし痛いしでとてもつらそうだ。手術後は熱が出る。39度近い熱があった。それはつらい…。気を使ってなんかいられない。
こんな時、病院の外を「アホみたいに爆音をたてて走っていく」クソトラックに殺意を覚える。ワレ、静かに走らんか!その太いマフラー、ケ◯の穴突っ込んだろかと思う。(失礼)
車でもバイクでも、果ては音楽もそうだけど、自分が素晴らしいと思っている「サウンド」は時と場所を選ばなければ、かっこいいどころか「うぜー」だけだ。

親父はもう余命最短4ヶ月の報告を聞いたのだろうか。多分聞いているだろう。それで今日は心の整理が付いていなかったかも知れないなぁ。ガンバレ親父。

›April 14, 2004

2004.4.14 (水)

Posted by とーる at 11:00 PM / カテゴリー: 2004年 / /

今日はずいぶん体調が回復して来てる様だった。もう歩いていたし、時おり笑みも浮かべていた。
おまけにまだ禁止されている「水を飲む事」までしてた模様。ま、ほんのお湿り程度の量だから大丈夫とは思うが、ちょっと飛ばし過ぎだろ。

食欲は親父の強い生命力の源なのだと思う。(そのくせ、塩からいだの熱いだのうるさい。これはどうかと思う。)
親父は確か9人兄弟だったらしいが、幼い頃、すぐ下の弟と二人で病気になったそうだ。風邪とかじゃなく赤痢か何かの重病で。そして弟さんは食欲が無かったが、親父は何でも良いから、薬でもいいから何か食わせろとうるさかったらしい。子供、そして病人ながら大した食欲。そして親父は生き残り、弟さんは亡くなった。祖母(親父の母)は死ぬまで「死んだ弟は良い子だった…」と言い続けていたそうだ。親父はいつもブツブツ言ってる。
食欲は命の源なのでしょう。様々な物が不足していた戦時中は特にそうだったのでしょう。

›April 16, 2004

2004.4.16 (金)

Posted by とーる at 11:00 PM / カテゴリー: 2004年 / /

今日は点滴まで外れた。(外した?)ただ、下痢がひどくかなり体調が悪かった様子。
明日は外泊許可が出たようで、昼頃家に帰り、日曜の夜にまた戻る。
日に日に回復してはいるが、やはり末期ガン患者であることに変わりはない。まずは開腹した手術から着実にゆっくり回復して欲しい。

›April 19, 2004

2004.4.19 (月)

Posted by とーる at 11:00 PM / カテゴリー: 2004年 / /

明日はようやく退院だそうだ。手術2週間ほど前から検査や何やで入院してたので、1ヶ月弱の入院だった。しかし、今日抜糸するのに退院して大丈夫なのか?